在宅ワーク生活リズム術

在宅ワーク入門・準備編⑨のアイキャッチ。在宅ワーク生活リズム術、健康と収入を両立するネオ還暦流習慣。オカメインコとウロコインコの小鳥さんたちが描かれたイラスト入り。

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健康と収入を両立するネオ還暦流習慣


はじめに

在宅ワークは、自分のペースで働ける自由さが魅力です。
しかしその反面、時間の管理をすべて自分で行うため、生活リズムが乱れやすくなります。

特にネオ還暦世代では、

  • 長時間の座りっぱなしによる体力低下
  • 昼夜逆転
  • 運動不足

といった健康リスクが目立ちます。

健康を崩せば、直接的に仕事の質や収入の安定性に影響します。だからこそ「働きながら健康を守る」視点は必須です。
ここでは私自身の経験も交えながら、ネオ還暦世代が在宅ワークを長く続けるための生活リズム術を紹介します。


1日の基本リズムを決める

起床・就寝時刻を固定する

  • 起きる時間と寝る時間をできる限り一定に
  • 睡眠時間は7時間前後を目安に確保します

「週末だけ夜更かし」も、体内時計にとっては時差ボケと同じ。
リズムを守る日を増やすほど、平日の目覚めと集中力が安定します。

在宅ワークで怖いのは、「明日は納期だから」と夜遅くまで作業し、翌朝が遅れ、また夜にずれ込む——という昼夜逆転のらせんです。
夜の頑張りは一見勤勉に見えますが、実は翌日の生産性からの前借りです。
納期が迫ったときこそ「早く寝て早く始める」に切り替えるのが、体力を消耗しないネオ還暦流です。

仕事開始・終了時刻を設定する

  • 「午前9時開始・午後5時終了」など、自分ルールを決めて集中力を保つ
  • だらだら続けるより、終わりを明確にする方が効率的です

不思議なもので、「いつでも働ける」と思っていると、人はいつまでも働いてしまいます。
締め切りのない自由は、実は一番疲れる働き方かもしれません。
「今日は17時まで」と区切るからこそ、その時間内の集中力が上がり、夜はきちんと休めるのです。

体力に合わせた調整も、この年代の知恵です。
たとえば午前3時間+午後2時間の「5時間区切り」や、週4日勤務など、フルタイム時代の型をそのまま持ち込む必要はありません。
自分の体と相談して決められるのが、在宅ワーク最大の特権です。

通勤代わりの習慣をつくる

私は在宅ワークを始めた当初、朝に外出する機会が減り体が重くなりました。
そこで「仕事前に近所を10分歩く」ことを習慣に。短時間でも外の空気を吸うと、頭も体も仕事モードに切り替わります。

会社勤めの頃は、通勤そのものが「歩く時間」と「切り替えの儀式」を兼ねていたのですね。
在宅ワークでは、それを意識的に作り直す必要があります。朝の散歩は、その一番簡単な代用品です。


体を守る作業環境づくり

座りっぱなしは腰痛・肩こり・血行不良の原因になります。年齢を重ねた体に無理をさせないため、作業環境の見直しは欠かせません。

デスク・椅子の調整

  • 腰をしっかり支える椅子を選び、足裏が床につく高さに調整
  • デスクは肘が90度に曲がる高さが理想です

画面と照明

  • 画面は目線の高さに合わせ、首や肩の負担を軽減
  • 照明は画面の横から当てると目が疲れにくくなります

定期的なストレッチ

  • 1時間に1回は立ち上がり、腕・肩・背中を伸ばす
  • タイマーや休憩促進アプリを使うと習慣化しやすいです

道具にお金をかけるのは、体の声を聞いてからで十分。
まずはクッション1つ、足元の台1つといった数百円の工夫から始めて、「長く座っても痛くならない環境」を体で確かめながら整えていきましょう。
腰や肩の痛みは、我慢するほど治りが遅くなります。「痛くなってから」ではなく「痛くなる前」の調整が、この年代の鉄則です。

運動習慣のある者の割合(性・年齢階級別)の縦棒グラフ。60代は男性35.3%・女性33.0%、70歳以上は男性52.6%・女性42.6%(令和6年 国民健康・栄養調査)

図表:運動習慣のある者の割合(20歳以上・性/年齢階級別)
出典:厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」結果の概要
※運動習慣=1回30分以上の運動を週2回以上・1年以上継続している人


目・脳・心の健康ケア

在宅ワークは目や脳への負担が大きく、孤立感によるメンタル不調も起こりやすいです。

20-20-20ルール

20分ごとに20秒間、6メートル(20フィート)以上先を見る習慣で眼精疲労を軽減。
「20分・20秒・20フィート」と覚えてください。窓の外の電柱でも、廊下の先の壁でも構いません。

あわせて、画面の文字は迷わず拡大を。
小さな文字を目を細めて読むのは、視力にも集中力にも二重の負担です。ブラウザなら「Ctrl++(プラス)」で今すぐ大きくできます。

太陽光を浴びる

昼休みにベランダや外で日光を浴びると、体内時計が整い、睡眠の質の向上につながります。
朝の散歩とセットにすれば、1日2回の「光の栄養補給」になります。

趣味・交流時間を持つ

オンラインミーティングやSNSで仲間と交流。
私は湯治旅行にもノートPCを持参し、温泉と仕事を両立しています。環境を変えるだけでも気持ちがリセットされます。
「旅先で仕事なんて落ち着かないのでは?」とよく言われますが、逆です。午前中に集中して仕事を終え、午後は温泉と散策——家にいるより、むしろメリハリがつくのです。
これも場所を選ばない在宅ワークならではの楽しみ方。詳しくは関連記事32『身軽に旅して働く!ネオ還暦世代のワーケーションスタイル』でご紹介しています。

睡眠で休養が十分にとれている者の割合(年齢階級別)の棒グラフ。20〜59歳73.0%、60歳以上86.1%(令和6年 国民健康・栄養調査)

図表:睡眠で休養が十分にとれている者の割合(20歳以上・年齢階級別)
出典:厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」結果の概要
※「十分とれている」+「まあまあとれている」と回答した人


食事と運動の工夫

食事

  • 炭水化物に偏りすぎず、タンパク質と野菜を意識して摂取
  • 冷凍野菜や缶詰を常備し、忙しい日でも栄養を確保
  • 間食にはナッツやヨーグルト、ブルーベリーなどの果物がおすすめ

在宅ワークの食事で一番の敵は「ながら食べ」と「置き換わる間食」です。
机で食べると仕事と食事の境目が消え、気づけばお菓子が主食に……。
昼食だけでも机を離れて食べる。それだけで食生活の乱れはかなり防げます。

買い置きの工夫も効きます。
「小腹がすいたら手が伸びるもの」を、スナック菓子からナッツ・ヨーグルト・冷凍果物に置き換えておく。
意志の力で我慢するのではなく、家に置くものを変える——環境で自分を助ける発想です。

健康的なおやつにブルーベリースムージー
私の友人が運営する農園サイト「かづの精果園」では、冷凍ブルーベリーを使った簡単レシピを公開しています。

運動

  • 室内ヨガやストレッチ動画を活用
  • 踏み台昇降やスクワットで下半身を強化し、1日合計30分を小分けで行います

「30分連続」でなくていいのがポイント。
朝の散歩10分+昼のスクワット10分+夕方のストレッチ10分——細切れでも合計すれば立派な運動習慣です。

続けるコツは、記録をつけること。
カレンダーに丸をつけるだけでも、「丸を途切れさせたくない」という気持ちが背中を押してくれます。
まじめに続けてきた私たちの世代は、この「途切れさせたくない心理」がとくによく効きます。長所は使いましょう。


在宅ワーク特有のストレス対策

家にずっといることで、仕事と私生活の境界があいまいになり、気づかぬうちにストレスが蓄積します。

モードの切り替え

  • 作業着と普段着を分ける、髪形を変える、机の向きを変えるなどで仕事と生活を分離
  • 「仕事終わりの儀式」を決めるのも有効です。パソコンを閉じて机の上を整える、お茶を1杯いれる——体に「終わった」と教える合図を作りましょう

境界があいまいなまま働き続けると、「休んでいるのに休んだ気がしない」状態に陥ります。
これは気のゆるみではなく、切り替えの仕組みがないだけ。仕組みで解決できる問題です。

コミュニケーションの確保

  • オンライン会議や電話で人と話す機会を意識的に作る
  • 私の場合、ペットの世話や植物の手入れも良いリフレッシュになっています

生き物の世話が良いのは、「待ったなし」だからかもしれません。
仕事が乗っていても、水やりや餌の時間は来る。その中断が、結果的にちょうどよい休憩のリズムを作ってくれます。
世話をする対象がいることは、在宅の孤独への一番自然な処方箋でもあります。


これからのこと

  • 健康を保つことは、収入を長期的に安定させる最大の戦略
  • 無理せず生活リズムを整えれば、60代でも在宅ワークを長く続けられる
  • 「働きながら健康寿命を延ばす」視点こそ、ネオ還暦世代の新しい働き方のカギです

全部を一度に始める必要はありません。
まずは「起きる時刻」と「仕事を終える時刻」の2つだけ固定してみてください。
リズムという土台ができれば、環境も運動も食事も、その上に少しずつ積んでいけます。

会社という枠組みが用意してくれていたリズムを、今度は自分で設計する。
それは面倒なことではなく、自分の体に一番合う暮らしを自分で作れるということ。
ネオ還暦の在宅ワークは、働き方であると同時に、暮らし方の作品でもあるのです。


さらに詳しく知りたい方は、厚生労働省「ホームワーカーズウェブ」もご覧ください。