健康寿命を意識した住まいと習慣|どうせ手放すなら、いつ始めるのか

これからの暮らし編のアイキャッチ。健康寿命を意識した住まいと習慣、どうせ手放すなら、いつ始めるのか。ウロコインコとオカメインコの小鳥さんたちが向かい合って描かれたイラスト入り。

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新しく買った服を、しまう場所が無くなりました。捨てなければ、入りません。それが、始まりでした。

家にある物は、いつか、全部を手放す日が来ます。住み替える時か、施設に入る時か、もっと先か。

どうせ、いつか全部手放すのなら、いつ始めればよいのでしょうか。

私は、50代の後半から、服をゴミ袋何十袋分も手放しました。答えは、もう決めています。元気なうちに、です。

ただ、決めているのと、できているのは、別です。天袋には、まだ物が残っています。新婚旅行に着て行った服も、まだ持っています。この記事には、手放せた物と、手放せていない物の、両方を書きます。


1. 「これ着て、どこ行くの」

きっかけは、それだけでした。

もう1つ、あります。40代、50代のはじめごろまでは、若いころの服も、まだ着られる気がしていました。「いつか着るかも」と思っていたのです。

50代の半ばを過ぎて、さすがに思いました。20代のころの服は、どれだけ新しくてきれいでも、もう着ない。似合わない。これ着て、どこ行くの、と。

いま着ないのに、これから先の10年、20年のあいだに着るわけがない。そう思えたら、手が動きました。

服だけではありません。押し入れ一つを占領していたクリスマス用品。花に合わせて買い集めすぎた花瓶。音楽CDの山。ものすごく、ありました。

わが家は2人暮らしです。それなのに、食器は、どれも6客ずつ、10客ずつ。座布団は10枚。お客様用の布団は、5組も6組も。昔は、友人を招くことが多かったのです。クリスマスの飾りは、家の外回りを飾れるだけあって、電球も山盛りでした。

いまは、飾ることも、使うことも、なくなりました。ただ、保管しているだけです。


2. 健康寿命という数字を、読み直しました

「健康寿命」という言葉があります。この記事の題にも入っています。数字を、もとの資料で確かめました。

厚生労働省の資料によると、2022年(令和4年)の健康寿命は、男性72.57年、女性75.45年です。平均寿命との差は、男性で8.49年、女性で11.63年とされています。

この数字は、どうやって出しているのか。3年ごとの国の調査で、次の問いに、本人が答えたものが、もとになっています。

あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか

「ない」と答えた人を健康、「ある」と答えた人を不健康として、計算します。

これは、集団の平均です。日常生活に何か影響が出る期間が、平均では何年かある、ということは言えます。「あなたは◯歳まで動ける」とは、言えません。一人ひとりの先のことを言い当てる数字ではありません。

私がこの数字から受け取ったのは、「いつまで」ではなく、「いまのうちに」のほうでした。自分で動かせるうちでないと、物は、なかなか減りません。


3. 捨てるのにも、お金がかかります

元気なうちに、と思う理由は、もう1つあります。お金です。

物を処分するのに、とてもお金がかかることを、私は、電話の仕事を通じて知りました。

確かめられることを、確かめました。

  • 家電=エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の対象です。処分には、リサイクル料金がかかります。料金はメーカーによって違うので、経済産業省は、メーカーの名前を確かめておくように案内しています。
  • 回収の会社=国民生活センターによると、不用品の回収サービスについての相談は、2021年度に2,231件ありました。センターは、市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けずに回収をする会社に、注意を呼びかけています。
  • 困った時=消費者ホットライン「188」に相談できます。

一度に全部を片づけようとすると、会社に頼むことが増えて、お金がかかります。少しずつなら、自治体の回収に、安い費用で出していけます。私は、そうしています。

家からどこかの施設に入る時には、どうせ、物を処分しなければいけません。遅かれ早かれ処分するのであれば、元気なうちに、やってしまいたいのです。

究極、何にも無くても、暮らしていけるような気はしています。


4. 私のやり方

きれいな方法はありません。していることは、1つです。

迷った物は、箱か紙袋に入れておく。1年か2年、さわらなかったら、捨てる。

服だけでなく、昔勉強していた法律の資料も、そうしています。法律は、変わっていきます。もしまた調べたくなったら、その時に買うか、図書館で借りればいい、と思うことにしました。

手放せなかった物も、あります。

気に入っていた服は、手放せませんでした。新婚旅行に着て行った服は、もう絶対に着られませんが、まだ持っています。

天袋も、途中です。

60代になって、天袋の出し入れが、もう面倒になりました。それで、「60代前半のうちに、天袋は空っぽに」と決めました。いま残っているのは、編み物の毛糸や、編み針です。空っぽになるまで、少しずつです。


5. 家具と明かりを替えたら

物を減らすのと一緒に、家の中の「ひっかかり」も、減らしてきました。

食卓を、円形のテーブルに替えました。

おしゃれな家具が増えて、昔はお店にしか無かった円形のテーブルが、家庭用にも出てきました。「いいなあ」と思ったのが、きっかけです。住まいを整えるのは、もともと好きなのです。

替えてみたら、思わぬ効果がありました。それまで夫は、食卓の角に体をぶつけて「イタ!イテ!」と叫んでいました。それが、ゼロになりました。「全然邪魔にならない!」と大喜びです。「広くなったような気がする」とも言っています。観葉植物を置いたら、「カフェみたい」と喜んでくれました。

前の食卓は、1階のパソコンの台にしました。私のパソコンと夫のパソコンが、並んでいます。

その台の上に、引き出しの付いたモニター台を、2つ載せています。愛用しています。大きな引き出しが、何かと便利です。

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ダイニングの補助の明かりを、人感センサー付きに替えました。

きっかけは、電球が切れたことでした。これが、想像以上に快適でした。近づくだけでパッと明るくなり、両手に荷物を持っていても大丈夫です。必要な時だけ点いて、自動で消えます。

家の中で転ぶ人は、どのくらいいるのか。東京消防庁の数字を見ました。東京消防庁の管内では、令和6年の1年間に、高齢の方が「ころぶ」事故で、73,500人救急搬送されています。そのうち、住まいで起きたものが42,180人。その9割以上が、屋内でした。場所は、「居室・寝室等」がいちばん多い、とされています。

外ではなく、いつもの部屋の中で、起きています。これは東京消防庁の管内の数字で、全国の数字ではありません。それでも、家の中の足元を明るくしておくことには、意味があると思いました。


6. 小さな楽しみは、減らしません

減らす話ばかり書きましたが、減らさないものもあります。

私は、お花を生けています。気分が明るくなるので。

寝つけない夜には、蒸気の出るアイマスクを使います。その日の気分で、香りを選んでいます。

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つらい不眠が続く時は、医療機関に相談してください。


片づけと住まいのよくある質問

ここから先は、よく寄せられる疑問への答えです。私自身の体験のほかに、この記事で調べた資料と、公的な情報をもとにまとめました。参考としてお読みください。

Q1. 片づけは、いつから始めればいい?

A. この記事を書いた私は、元気なうちに、と決めています。物を動かす力があって、少しずつ、安く出していけるうちに、という理由です。健康寿命の数字は集団の平均で、一人ひとりの先を言い当てるものではありません。私がこの数字から受け取ったのは、「いつまで」ではなく、「いまのうちに」のほうでした。

Q2. 何から手をつければいい?

A. この記事に書いたのは、私のやり方です。迷った物は箱か紙袋に入れておき、1年か2年さわらなかったら、手放します。一度に全部を片づけようとすると、会社に頼むことが増えて、お金がかかります。少しずつなら、自治体の回収に、安い費用で出していけます。エアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、リサイクル料金がかかります。回収の会社とのトラブルで困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。


どうせ手放すなら、いつ始めるのか

私の答えは、変わりません。元気なうちに、です。物を動かす力があって、少しずつ、安く出していけるうちに。

ただ、ここまで書いてきて、手放せていない物を数えると、こうなります。

天袋には、毛糸と編み針。手元には、気に入っていた服と、新婚旅行の服。

「いま着ないのに、この先着るわけがない」と言って、何十袋も出した私が、新婚旅行の服だけは、出せずにいます。

全部を手放す日は、いつか来ます。その日まで持っていてよい物が、少しはあっても、よいのかもしれません。

座りっぱなしをほどく動きは『座ったままできるストレッチ』に、災害への備えは『在宅避難という選択』に書いています。

この記事で確かめた文書

(確かめた日=2026年10月6日)